「パーマーク」

Parr Marks
サケ科の子どものボディー・デザイン

サケ科魚類の幼魚の体側にある淡い色の小判型の模様をパーマークといいます。パーparrはサケ科の幼魚という意味です。

河川生活期が極端に短いカラフトマスを除き、すべてのサケ科魚類は稚魚から幼魚期にかけてパーマークをもっています(ただし、奇形・異型を除きます)。パーマークの役割はまだはっきりと解明されていませんが、底生性が強い種類(オショロコマやブラウントラウト)では、背中側のパーマークが明瞭で、上から見たときに川底の砂利と自然に溶け込むカモフラージュ効果と考えられます。

ヤマメとイワナのパーマーク 同じ川でも個体差がある(左下はオショロコマ)
ヤマメのパーマーク上部 同じ川でも個体差がある
オショロコマとヤマメ オショロコマは背中のパーマークがはっきりしている
ヤマトイワナのパーマーク
ブラウントラウントのパーマーク

養殖用のニジマスとして、パーマークをもたない品種のホウライマスがあります。1965年に愛知県水産試験場内水面分場鳳来養魚場で発見され、選抜育種により系統が固定されました。現在では民間養殖場でも継代養殖されているほか、北海道の鳧舞川などでは、ホウライマスが自然繁殖して野生化しています。

ニジマス(上)とホウライマス(下) いずれも自然繁殖個体

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