形態の話
「ウナギ科の体の模様とひれの長さ」
Skin Coloration and Fin Position in Eels
ウナギの種類は、見分けられる?
ヘビのように細長い体形で、体全体を使って波打つように泳ぎ、昼間は砂の中や岩の隙間に潜って生活しているウナギ科魚類は、形態の特徴が少なく、種類を見分けるのがきわめて難しい魚です。
種によって異なる形態形質は3つあり、1つめは体の「斑紋(はんもん)の有無」、2つめは「背びれの位置」、そして3つめは口を開けてよく観察しないとわかりませんが、「歯帯(したい)の形」です。これらの形質によって、これまで世界で知られているウナギ属16種は、見た目では4つのグループにしか分けることができません。そこで、採集された地理情報やDNA情報に基づいて、種類を識別しています。
ウナギ科魚類の斑紋も、サケ科魚類のパーマークと同じように川の砂利に対するカモフラージュ効果かもしれませんが、その役割は解明されていません。