「外来魚」
サケ科魚類では、ブラウントラウトとニジマスが国際自然保護連合IUCNによって「世界の侵略的外来種ワースト100」に指定されています。放流されたニジマスとブラウントラウトは、種間競争によって同所的に生息するイワナなどの在来生物の個体数を減らすこともあります。とくにブラウントラウトは貪欲で、魚類のほかネズミやカエルなどの脊椎動物も食べます。
日本では、北海道を含む日本各地の水系で、本来は自然分布しないヨーロッパウナギが見つかっています。これはかつて養殖するための種苗(しゅびょう)として輸入されたヨーロッパウナギが日本の川や湖に放流されたことが原因です。一方、1980年代にアジアからヨーロッパに輸出されたニホンウナギは、深刻な寄生虫病を引き起こし、現在でもヨーロッパウナギの死亡率を高める大きな問題となっています。
通常、外来魚は人間が放流することで分布が広がりますが、北海道ではスモルト化(海水適応化)したブラウントラウトやニジマスが発見されており、とくにブラウントラウトは海を介して自然に分布を拡大することが懸念されています。2019年には国後島でニジマスが捕獲され、北海道本島から海を渡ってきた可能性がロシアの研究者に指摘されています。
参考文献 References
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