「鮭と鰻の料理」

Salmon and Eels Dishes
世界のレシピ

鮭も鰻も大きく成長する魚類で、人々の生活圏に身近な川や河口域でも獲れる貴重な食資源であり、世界各地の人々の食文化に根づいた生き物です。

鮭の料理というと、日本ではサケやベニザケなどのサケ属が主流ですが、世界ではそのほかのサケ科やイワナ属も食されています。例えば、ノーベル賞の晩餐会ではホッキョクイワナがたびたび振舞われてきました(2005, 2012, 2018年)。

レイクトラウトの燻製(アメリカ)
五大湖のひとつであるスペリオル湖近くの売店で販売されていた
サケ頭のスープ(ロシア)
ユジノサハリンスク近郊にあるロシア科学アカデミーの実験所にて
アナゴ類ののれそれ(日本)

鰻の料理では、日本では甘辛いたれをつけて芳ばしく焼いた蒲焼きが人気です。とくに、盛夏の土用の丑の日を中心として年間消費量の多くのウナギが食されています。中国ではさまざまな煮込み料理に用いられており、韓国では網焼して食べます。いずれの地域でも古くから滋養食品としての認識がありました。

ヨーロッパウナギの串焼き(イタリア)
ヨーロッパウナギのボイル(イタリア)
ニホンウナギの蒲焼き(日本)
ニホンウナギの網焼き(韓国)

ヨーロッパで最も多い鰻の料理法は燻製(くんせい)で、高緯度の寒冷地域に生息するヨーロッパウナギは他の種類と比べて脂質含量が高いため、燻製にする過程で過剰な脂が落ちて臭みも消えます。他にも、フライ、塩漬け、スープ、煮込み、ゼリー寄せ、パイなど豊富な鰻料理のレシピがあります。

ヨーロッパウナギの酢漬けの缶詰(イタリア)
シラスウナギを模したすり身(スペイン)
ドリーバーデンの缶詰(ロシア)
ラベルにはロシア語で「ガリエツ голец」とある ガリエツには「裸の」という意味があり、サケ科魚類のなかでイワナ属は鱗が小さく、まるで「裸」のように見えるかららしい
ヨーロッパウナギの燻製とゼリー
(イギリス)
ヨーロッパウナギの燻製
(オランダ)
ベルゲンの魚屋
(ノルウェー)


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