短いひれの南国ウナギ
Anguilla bicolor pacifica
- 円筒状の体は細く、体の背側は暗色、腹側はうす卵色。体にまだら模様はない。
- ひれの位置をみると、背びれと臀びれの起部がほぼ同じ位置にあり、ひれの短いタイプ(短鰭型)である。
- インド洋から太平洋の熱帯・亜熱帯に分布し、亜熱帯の南日本ではわずかな採集報告しかない。これまで成長期の黄ウナギは西表島、シラスウナギは屋久島で捕獲された記録がある。
- インド洋と太平洋で遺伝的に異なる2つの繁殖集団があると考えられており、現在の分類では、2亜種(太平洋の亜種はAnguilla bicolor pacifica、インド洋の亜種はAnguilla bicolor bicolor)にわかれている。
参考文献 References
井上太之・鈴木大・北野忠・河野 裕美. 2021. 西表島において採集されたウナギ属ニューギニアウナギAnguilla bicolor pacificaの記録西表島において採集されたウナギ属ニューギニアウナギAnguilla bicolor pacificaの記録. 魚類学雑誌, 68: 29–34.
Schmidt, J. 1928. The fresh-water eels of Australia. With some remarks on the short-finned species of Anguilla. Records of the Australian Museum, 16: 179–210.
Tsukamoto, K., M. Kuroki, and S. Watanabe. 2020. Common names for all species and subspecies of the genus Anguilla. Environmental Biology of Fishes, 103: 985–991.
Yamamoto, T., N. Mochioka and A. Nakazono. 2000. Occurrence of the third Anguilla species, Anguilla bicolor pacifica glass-eels, from Japan. Suisanzoshoku, 48: 579–580.