伝説のサルガッソ海がふるさと
Anguilla in the Atlantic
- 大西洋には、ヨーロッパウナギEuropean eel(Anguilla anguilla)とアメリカウナギAmerican eel(A. rostrata)の2種が分布する。いずれも大西洋のサルガッソ海に産卵場をもつと考えられている。
- 北大西洋の大西洋中央海嶺上に位置するアイスランドには、ヨーロッパウナギとアメリカウナギの交雑種が分布する。
- ヨーロッパウナギは、北はスカンジナビア半島から、南は地中海に面するヨーロッパ諸国と北アフリカまで広く分布する。
- ヨーロッパウナギは資源の減少が深刻化しており、2007年にワシントン条約の付属書に記載され、2009年から貿易取引が制限されている。2008年に国際自然保護連合IUCNの絶滅危惧IA類として、レッドリストに掲載された。
- アメリカウナギは、北は大西洋に面するグリーンランド西部と北アメリカ大陸の東海岸から、南はカリブ海に面する南アメリカ大陸北部まで分布する。資源が減少しており、2014年に国際自然保護連合IUCNの絶滅危惧IB類として、レッドリストに掲載された。
参考文献 References
Avise, J. C. W. S. Nelson, J. Arnold and R. K. Koehn. 1990. The evolutionary genetic status of Icelandic eels. Evolution, 44: 1254–1262.
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Schmidt, J. 1922. The breeding places of the eel. Philosophical Transactions of the Royal Society B, 211: 179–208.